メディアに取り上げられている事件の中に、幼児や児童の虐待、高齢者や障害者の虐待、動物虐待などの記事が顕著になっていますが、DVを含め何故このような行為が後を絶たないのでしょうか。
相談者の中にも、「些細なことでも、イライラして直情的になってしまう」とか「職場や家族のことでイライラして、すぐ子どもに当たってしまう」などと、自制できない暴力行為に悩んでいる方もいれば、直情的になって暴力行為を行なっても相手のせいにしてしまう自意識に欠けている方もいます。
何故なのでしょうか?
・機能不全の親(機能不全家族)は、家庭内に対立や不法行為、親が子供に対しての身体的虐待、性的虐待、心理的虐待、ネグレクトなどが存在し、子供が育つ上で必要とされている家庭に存在すべき機能が健全に機能していない家庭のことを言います。
・家庭内の不健全な事実が存在する問題よりも、その機能不全家族の中で育った子供への悪影響が指摘されることが多く、機能不全家族内で育った子供は、機能不全な環境や考え方が一般的であると認識し成長してしまいやすく、幼少期の重要な人格形成において愛情を得る機会が非常に乏しくなり、自己愛や自尊心、他者への共感、他者の苦しみに対する理解などに欠けた人間にもなりやすいことから、機能不全家族により、社会と健全な関係を築くことができない大人が輩出されることになるのですね。
・機能不全家族となる要因としては、代表的なものとしてアルコール依存、虐待、共依存などが挙げられ、このような家庭の場合、その家庭を構成する親、または祖父母などが、機能不全家族で育った経歴がある可能性も高いのです。
・機能不全家族において最も被害者となるのは、自らに生活力がないため、その家庭から逃れることができない子供であって、生活能力に乏しい子供は、このような 不幸な状況から逃れることができず、歪んだ文化を全身に受けながら生活しなければなりません。
そのことから、子供としての時期に学ぶべき社会ルールや愛情を得ることができず、親や家庭に過大な気遣いをしながらの生活を余儀なくされることで、歪んだ自動思考を身につける事が多いのです。
・問題点としては、機能不全家族の中で育った子供が、育った環境の不健全さに気付かない場合に、配偶者としても同様の歪んだ価値観をもったパートナーを選ぶ場合が多く、成人してからも同様に不遇な人生を選んでしまう場合が多々あります。
[機能不全家族の傾向、行動パターン]
○過剰な期待(支配)
子供の人格を無視して、親の期待通りの行動、人生を歩まそうとするが、支配的行為が一貫性がない。
○過干渉・過保護
自己満足のために、子供のすることを何でも過剰に知りたがり、ペットのようにも可愛がる。
○条件つきの愛情
普段は無頓着だが、子供が親の期待を満たした時だけに限り、子供を褒める。
○寄りかかり
子供にパ-トナ-(夫や妻)の悪口を言ったり、グチを言ったり、子供がストレスを抱え我慢して聞き続けるようなことを平気で言う。
○暴力暴言
常に苛々していて、子供に直接暴力や暴言を吐く場合もあるが、夫婦喧嘩を頻繁に子供の前でも平気でする。
○無視(褒めない)
親が子供に期待や要求をし、子供が一生懸命頑張っても褒めることはしない。
○存在の否定
兄弟姉妹と比較され、生まなければ良かった、バカなどと存在そのものを否定する。
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