・抑うつの原因には、心因性(一過性の心理的なストレスに起因するもの)、内因性(生体リズムなど、身体の内部の変調によって生じるもの)、身体因性(他の病気や薬剤の副作用に起因するもの)のものがあり、また、断定できるような遺伝性の疾患ではないが、同じ家族に複数のうつ病患者が現れる事については、家族であれば素質とか体質、性格が似ていて、生活環境や食生活も殆ど同じなので、他の家族と比べて発症する可能性が高いのですね。
また、従来のうつ病以外に、最近では20代~30代前半の若い世代に、「新型うつ病」と呼ばれる、症状、原因が従来とは異なる「新化型」のうつ病が増えていると言われています。
・新型の特徴は、日常生活や仕事、友達関係などが上手くいかなくて「自分を責める」という従来型と違って、「周りの環境や他人のせいにする」傾向が強 いようです。特に、会社や職場で多く、物事が上手くいかないことを「会社や上司」のせいにし、「会社が悪い」「上司が悪い」などの言葉が口癖のようになります。
・辛い時間帯が夕方に訪れ、過食気味によく食べ、過眠気味に良く眠り、仕事中にだけ気分が沈み、会社の外では元気というもので、原因は内的要因(本人の気持ちや心構え)と外的要因(周りの環境や人間関係など)が両方絡み合い、うつ病が発症するのですね。
[抑うつに至る要因に成り得る事象]
①生活や仕事の急激な変化
・大切な人との死別や離別。
・引越し、転勤。
・病気、事故。
・家庭問題、失恋、離婚、子供の独立。
・学業や仕事の失敗、挫折。
・昇進、退職、人事異動、定年退職、リストラ、会社の倒産。
・惨事に巻込まれる。犯罪の被害者となる。
②ストレス
・結婚、育児、家事。
・家族、近隣、職場などの人間関係
・仕事、過労。
・生育歴や生活史からくる内面的ストレス。
③女性特有の要因
・妊娠、出産、産後。
・更年期。
④病気や薬剤
・脳の病気が原因:脳腫瘍や頭部外傷による後遺症、認知症、動脈硬化など
・脳以外の病気が原因:糖尿病や慢性腎不全、重症貧血、パーキンソン病、、リウマチなど
・薬剤の副作用が原因:降圧剤、ステロイド剤、排卵抑制剤、抗がん剤、向精神薬など
上記のようなことがきっかけで、次のような性格の人に発症しやすいのですね。
⑤性格
・正義感や責任感が強い人。
・几帳面で凝り性な人。
・誠実で生真面目な人。
・律儀で頑固な人。
・完璧主義な人。
・自己中心的な人。
・根は真面目だが気の小さな人。
・プライドが高くて人の事を必要以上に気にする人。
・何となくやる気がでない…、何をしても感動しない…、以前よりも喜怒哀楽を見せなくなったようなときは抑うつを疑ってみてください。
・抑うつ状態とは心が塞いでいる状態に(精神的なエネルギーが枯渇した状態)なっていることで、大抵の場合は自然に回復していきますが、状況によってはうつ病の前段階の症状がシグナルを発している場合もありますので、注意をしてください。。
・「うつ」は決して不治の病ではありませんし、症状に適した薬を服用して休息を取ることが重要なのであって、特別な治療が必要なわけではありません。(治療とは、医師に診察を受けなくても良い状態を作っていくことだと理解してください。)
・他の病気と同様に早期発見、早期治療で対処でき、適切な治療をすれば、必ず「うつ」は回復しますが、「うつ」は繰り返す傾向がありますので、このことは現実的な問題として受け止めておく必要があります。
・長期間、薬を飲み続けることに苦痛を感じることもあるでしょうし、薬に頼るのは嫌だ…、一生薬を飲み続けるの…?、というような不安から受診や治療を躊躇する人もいるでしょうが、主治医の指示通りに治療を続け、ライフスタイルを見直すことで再発を防ぐことも可能です。
・医師の指示に従った治療をしていけば、当初は薬の副作用などのデメリットもありますが、それでも医師の処方した薬の服用を勧めるのは「うつ」の病状を緩和できるメリットの方が遥かに大きいからなのです。
・治療を始めることが、回復への第一歩です。
・何ごとも独りで抱え込もうとしないで、誰かに話してください。
・家族や友人に話ができる相手がいない時は、充分な知識と経験のあるカウンセラーのカウンセリングを受けてください。
・一つだけ注意をして欲しいのは、不安だからといって占い的な心理カウンセリングは利用しないでください。
・カウンセリングには、元々占い的な要素はまったく含まれていませんので、カウンセリングという言葉に惑わされて方向性を間違えてしまったことで、より症状が悪化して回復から離れていってしまったという事例は数多くありますのでね。
・後は、休日に一日中家でゴロゴロするだけの消極的な休養ではなく、積極的な休養(気を使わないで、体だけを使う)で心身のリフレッシュを図ることが、ストレスを溜めない(再発を防ぐ)ための秘訣です。
0 件のコメント:
コメントを投稿