2010年9月2日木曜日

抑うつ神経症

・抑うつ神経症は、悲哀、抑うつ、制止などのうつ状態を主症状とする神経症の一つで、うつ病ほど症状は重くないものの、慢性的に軽度のうつ状態が長く続くことを言い、以前は神経症に分類されていましたが、国際的な診断基準で神経症という病名は使われなくなってきたことで、現在は気分障害の中の気分変調性障害に分類されています。

・原因としては、近親者の死、親しい人との別離や転居、転職などの対象喪失が誘因(遺伝的な素質や性格、ストレスなどが原因)となることが多く、特に幼少期に大切な人との別離や喪失を体験している人に多い傾向があるのですね。

・症状としては、悲哀感、落ち込み、焦り、不安、不眠などが特徴的なものですが、うつ病と異なる部分は、気分の日内変動がみられない、人格障害を伴う、不安や焦燥感が強い、環境の変化に反応して症状が動揺しやすい、抗うつ薬など薬物療法が効きにくい、などにより概念的にうつ病とは区別されています。

・不安神経症、パニック障害、自律神経失調症、強迫性障害、人格障害、統合 失調症、摂食障害などでも、このような症状(いわゆる「うつ状態」)が出ることがありますが、これらの病気とうつ病を併発している場合もありますので注意が必要です。

・治療法としては、基本的には抗うつ薬と抗不安薬などによる薬物療法や心理療法(精神分析的精神療法や森田療法、自律訓練法など)により行いますが、場合によっては、薬物療法と心理療法を併用することが効果的です。

・専門医のいる医療機関で治療を進めることと、専門的な知識と経験がある専門職の心理的なカウンセリングを受けることが有効です。

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