2010年9月12日日曜日

発達障害

・発達障害は、乳児期から幼児期にかけて様々な原因が影響し、発達の「遅れ」や質的な「歪み」、機能獲得の困難さが生じる心身の障害を指し、学術的には知的障害(精神発達遅滞)を含むが、法令上、行政上は知的障害を伴わない軽度発達障害だけを指す場合も多く見られます。(発達障害者支援法は、知的障害者以外の発達障害者だけを支援対象として規定している)

・発達障害に含まれるのは全て「生物学的要因による障害」であり、大多数は先天的であり、そうでないものも比較的低年齢に生じた他の疾患や外傷の後遺症によります。


●精神発達遅滞(知的障害)

・金銭管理・読み書き・計算など、日常生活や学校生活の上で頭脳を使う知的行動に支障があることで、病理的要因、生理的要因、心理的要因が挙げられます。

[病理的要因]
ダウン症候群などの染色体異常・自閉症などの先天性疾患によるものや、出産時の酸素不足・脳の圧迫などの周産期の事故や、生後の高熱の後遺症などの、疾患・事故などが原因の知的障害で、脳性麻痺やてんかんなどの脳の障害や、心臓病などの内部障害を合併している(重複障害という)場合も多く、身体的にも健康ではないことも多く見られます。

[生理的要因]
たまたま知能指数が低くて障害とみなされる範囲(IQ70または75以下)に入ったというような場合で、生理的要因の知的障害がある親からの遺伝や、知的障害がない親から偶然に知能指数が低くなる遺伝子の組み合わせで生まれたことなどが原因であり、健康状態は良好であることが多く、知的障害者の大部分はこのタイプ(単純性精神遅滞)です。

[心理的要因]
養育者の虐待や会話の不足など、発育環境が原因で発生する知的障害で、リハビリによって知能が回復することが可能とされています。


●広汎性発達障害(PDD)

・対人、コミュニケーション、行動などが定型的に発達していないことより生ずる障害のことで、知能指数が低い場合と高い場合の双方が見られます。

・知能指数が低い場合の方が、発見が比較的容易で、知能指数が知的障害の領域にないものは、高機能広汎性発達障害と呼ばれることもあり、軽度発達障害に分類され、また、広汎性発達機能障害、高機能自閉症、アスペルガー症候群などを合わせて、発達機能障害とも呼ばれます。
自閉性障害、レット障害、アスペルガー障害など。


・自閉症は、自ら心を閉ざしているというような、心の病ではありませんし、知的障害の程度は、重い人から無い人まで様々です。
・自閉症の人は、眼や耳などから入ってくる刺激や情報を、上手に処理したり理解するのに難しさを持っていて、そのために自分を取り巻く周りの出来ごとや、 人からの働きかけの意味などが理解できずに不安や混乱に陥りやすくなっています。
・そのために、一見突拍子もないことをすることもありますが、それは、 ワガママや躾けができてないからでなく、その人にはそれなりの理由があるのですね。


○社会性の特徴
・人と楽しみや興味を共有することが苦手です。
・人の気持ちを理解したり察することが苦手です。
このため相手の気持ちにお構いなしの言動をとることもありますが、悪気があるわけではありません。
また、相手の気持を理解するよう諭すよりも、単純にとるべき行動を伝えたほうが効果的です。
・笑うべきでない状況で笑ってしまったりなど状況音痴(空気が読めない)なことがあります。
・知らない人に平気で話しかけたり、人と適切な関係や距離を取るのが難しいところがあります。
・好きなことや興味を持っていることには、人に流されず目的を貫徹できるところもあります。

(1)孤立型
呼んでも反応が乏しく、人と関わろうとせず、関わられるのを避けることもあります。
(2)受け身型
自分から関わろうとはしないものの、人からの関わりは拒否せず、受け身的には関わることができます。
(3)積極型
関わりを求めて積極的に話しかけてきたり、相手にお構いなく一方的に関わります。

・話し言葉よりも、絵、カード、文字、図など、視覚に訴えた方が伝わりやすいことが多く、「目 に見えないモノは分かり難い」という特徴があります。
・相手の言ったことを受けて答えるのが苦手だったり、一方的に延々と話し続けるなど、会話を続けることが苦手です。
・比喩や例え、曖昧な表現、冗談などが理解できず、文字通りに解釈しがちです。
・「皆」という言葉の中には自分は含まれていないと思っていたり、自分から使っている言葉でも、その意味がよく判っていないこともあります。

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